そんなある日のレッスンでのこと。歌声に悩むお客様から
「いま習っている歌の先生から、ある発声法を取り入れるよう強く言われているが、それを実践しようとすると呼吸が苦しくて仕方がない。その発声法を続けてもいいのだろうか。」
というご質問(不安?)をいただきました。
このような状況をつくる原因は、大体以下の3点にあると考えています。
- 講師側が生徒側の課題を把握していない
- 生徒側にメソッドの重要性が伝わっていない
- 両者ともにメソッドの重要性は理解しているが、うまく実現できていない。
どのパターンにしても、解消するには講師と生徒がお互いの理解と目的を共有することが大切です。
講師側はひとまずメソッドの提案をしているので、
今回の場合は”生徒側”であるお客様から講師に質問を投げかけることが有効と考えました。
僕は、まず身体を苦しめるような発声法はあってほしくないと考えている。
それでも先生がその発声法を推すのには具体的な理由があるのかもしれない、と前置きし
「”自分はどうしても呼吸が苦しくなるのですが、そのメソッドを意識すると身体はどのような変化をし、どういう作用で音色が豊かにすると考えていますか?”と聞いてみてはいかがでしょうか。」
と伝えました。
世の「生徒」と呼ばれる方々には「先生」に対し
あらゆる疑問を投げかける資格があると思います。
そして「先生」は「生徒」の疑問に対し
真摯に向き合い、納得できるような回答や提案を用意しておく義務があります。
もし相手は先生だから…という理由で躊躇しているのだとしたら、
冒頭の問題を解消できず、身体に過剰な負荷をかけることにもつながりかねません。
いきすぎた負荷はフォーカルジストニアを誘発する恐れすらあります。
生徒さん!遠慮せずに、思い切って先生に色んな質問をしてみてください!
「正しい質問のしかた」みたいなものも、とりあえずほっといて結構です。
そして納得できる回答を得たら、それを実践していただきたいです!
フォーカルジストニアを予防し、豊かな演奏技術を手に入れるためにも
ぜひ意見交換の場を多く取り入れて頂きたいと思います。
僕自身も講師側(時には生徒側)として、
きちんとした意見交換がいつでもできるよう勉強を続けていきたいと思います。
ボイスケアサポーター 田中眞
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