声の不調に陥ると
特に症状が出やすい、いわゆる「苦手フレーズ」が生まれてくることがあります。
あらゆるメソッドを駆使しても、この単語や音程だけはどうしてもきれいな声にならない・・・。
発症した方ならば誰しもが経験することではありますが、本当に厄介ですよね。
そんな苦手フレーズを克服するために、僕たちは一生懸命練習をします。
それはとても良いことなのですが、ここで僕から提案したいのは
局所的な練習をしたあとは、必ず俯瞰的な練習に立ち戻ってほしい。
ということです。
苦手フレーズを克服しようとすると、どうしても
「苦手な音や言葉だけをなんとか発音できるようにする」練習になりがちです。
しかしこれが思わぬ落とし穴となる場合があります。
例えば…
「は」という単語がどうしても苦手で、それを克服するために
色んな「は」を声に出して研究を重ねたところ
少し下あごに力を入れ、吸った息を通常より勢いよく吐くと発音しやすくなることがわかりました。
ところがいざ会話の中で実践しようとすると、「は」の時にピンポイントで下あごや息の圧力を強めるのがとても難しく
無駄にスタミナを消費してしまい、かえって逆効果となってしまいました…。
その一音だけをうまく発音するために特化した練習は
特化したがゆえに、前後のフレーズとの関係をくずしてしまいがちなのです。
こういった問題を防ぐために、苦手フレーズの発音練習をするときは
一音特化の練習(局所的な練習)をしたあとに
それが、より長い会話や歌唱にうつったときにどの程度の効果が得られるか。
十分に効果が得られないのならば、どの程度の意識配分なら可能なのか。(俯瞰的な練習)
ということを確認する時間をとっていただきたいと思います。
木をみた後には、必ず森を見る
森を眺めて、もういちど木を見る
ぜひお試しください。
ボイスケアサポーター 田中眞
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