発声障害をはじめとする声の不調を改善させていく上で、全身のモニターは欠かせません。
“モニター”という言葉について、僕は
あらゆるメソッドを実践した後の心身の状況、状態の確認
というような意味で使っています。(一般的な意味とそう違わないと信じています💦)
それを英語の動名詞のように「-ing」の形をもじって”モニタリング”という言い方もします。意味はモニターとほぼ同じようなもので
あらゆるメソッドを実践した後の心身の状況、状態を確認すること
というような感じですね。
最もシンプルな言い方をすれば、いわゆる「おからだの具合はいかがですか?」というやつです。
モニタリングの利点は大きく2つあると考えています。
1つ目は、リハビリの効率をより高められるということ。
一般的に広く信頼され、普及しているメソッドを取り入れたとしても、肝心の当人の声に改善が見られなければ時間がもったいないです。
そこで、いま声にどんな変化が起きているといえるか、あてられているメソッドは適切といえるかを絶えず自分自身で評価していくわけです。
そうすることによってリハビリの方針を立てやすくなりますし、基本的に地道な積みかさねが続く声の不調改善の効率をすこしでも高めることができます。
2つ目は、自分に対してちょっとやさしくなれるということ。
僕の場合はより顕著に感じたのですが…モニタリング中は自分に対してネガティブな思いを抱きにくいように感じます。
身体や声に注目している間、ひとは自分を責めることを一瞬わすれます。
モニタリングにはある種の「客観性」が必要になってくるので、自己嫌悪に陥ることなく自分を冷静に観察しやすいのではないでしょうか。
発声障害などの声の不調は正体がつかみづらく、改善の道のりも楽ではないことが多いため
その過程で自分に対して厳しい言葉を投げかけてしまう方もいらっしゃいます(無論、そんな必要は全くない)。
モニタリングによって、自分に向けていた嫌な矛先がスッと収まってくれる瞬間を得られる。
これは非常に大きな利点だと思います。
モニタリングに正解はなく、実行すること自体に意味があると考えています。
もちろん正確なモニタリングであるほど、リハビリの能率は上がるといえますが最初から完ぺきにこなそうとしなくても全く問題ありません。
「今日の調子はいかがですか?さっきのメソッドは自分で試してみてどうだった?」
自分の主治医さんになったかのように、自分自身に問いかけてみましょう。
きっと声の不調を改善させる希望の道を照らしてくれることと思います。
ボイスケアサポーター 田中眞
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