いつものリハビリ中、あるいは日常のふとした時に
「あ!今の声の出しかたいい感じかも!この調子だ。」
と思える瞬間がやってきたりします。
試行錯誤をした結果にせよ、ほぼ偶然といえるにせよ、声の不調を抱える者にとってはとても嬉しい感覚ですよね。
しかしこのまま右肩上がりで終わらせてくれないあたりが、発声障害の厄介なところでもあります。
いくら「この感じで声を出すと調子が良い!」という発見をしても、なかなか再現できないことが多々あるのです。
まさに一進一退…僕もそういった経験を繰り返すたびに歯がゆい思いをしたものです。
『3歩進んで2歩下がる~♪』という歌が脳内再生されそうになります(←結果1歩進んでいる分うらやましい!?)が、
このもどかしい状況を打破し、少しでも前進につなげるためにはどうしたら良いのでしょうか。
これまでの自身の経験やレッスンを通して効果の合ったやり方をまとめると以下のようになります。
- 再現できなくてもやり方を変えすぎない
- 良い「結果」ばかりを追い求めすぎるがあまり、発声法のピントにずれが生じる可能性あり
- 息の量は一定にする
- なるべく実践(実生活)に近い息の量は確保。声帯に供給するエネルギーを変えすぎない
- 落ち着いてゆっくり簡単な言葉からはじめる
- 比較的症状が出にくいものからゆっくり再検証。息の量に注意!
- 安静時と症状が出る瞬間の境目をならしていくように心がける
- 境目を見つけた瞬間、身体にどんな変化があるか。言語化できると尚よし
- 筋肉は力を込めて固めるのではなく、やさしくキープするイメージ
- 再現できずムキになるとつい力んでしまったりする。やさしくやさしく…
再現するうえで大切なのは「うまく声を出せた」という感覚が、まとまりのある流れとして心身に記憶できること。
それはある意味では、結果以上に過程を重視すると言い換えることもできます。
良い声が出せた瞬間というのはもちろん喜んでよいものに違いありませんが、さらに大事なことがその後ろに隠れているといえるのではないでしょうか。
発声障害のリハビリにおいては、10分前には出来ていたことが途端にできなくなる…なんてこともよく起こります。
さっきまではできたのに!とつい焦ってしまいそうになりますが、そこで冷静になって自身の運動(発声法)をじっくり振り返ることができるかどうかが
3歩進んだモノの歩を更に進められることに繋がるのだと考えています。
とはいえ、それが簡単な道でないことは重々承知しております。ぜひ、みなさまからのアイディアも募集しております💦
ボイスケアサポーター 田中眞
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