発声障害にありがちな首の力みは「眼」からほぐす

発声障害にありがちな首の力みは「眼」からほぐす

こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。

声が出づらい時

首肩周りがギュッと押し固められるような感覚を感じたことはありますでしょうか?

首肩の筋肉が硬くなると喉に余計な負担がかかり、声が出づらくなる原因となってしまいます。

何とか固くなった筋肉をやわらげようと首や肩をぐりぐり回してみても期待したほどの効果がない・・・

そんな時には「眼球」のストレッチをお試しください!

もくじ

眼と首肩の関係

眼の動きと首の筋肉は密接な関係にあります。

ためしに後頭部に手を添えながら眼を左右に動かしてみると

首と頭の付け根にある筋肉もわずかに動いていることが確認できるかと思います。


眼球を動かしたときに動く筋肉は「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」という名前です【図1】。

「群」という名前の通りいくつかの筋肉の総称で大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋などの筋肉から成ります。

後頭下筋群は眼球を動かすほかに、首を傾けたり旋回させる時にも収縮します。

株式会社ゼニタ 代表取締役社長 銭田良博ブログより引用

【図1】後頭下筋群とその周辺の部位

他の部位にも言えることですが、筋肉には身体の外側に位置するものと内側に位置するものがあります。

「あぁー首(肩)が凝ったなー」

という時、よくストレッチの対象となる「僧帽筋(そうぼうきん)」や「肩甲挙筋(けんこうきょきん)は、首肩周りの筋肉の中では外側に位置します。

ところが先程挙げた後頭下筋群は内側にあるため、外側の筋肉を伸ばすストレッチだけでは十分にほぐれないことがあります・・・

そんな時、眼球を動かすことによって内側(深層筋肉)である後頭下筋群をほぐすことが可能になるわけですね。

実践!眼のストレッチ

それでは実際に眼を使ったストレッチ方法をご紹介していきます。

ポイントとして首や肩をゴリゴリ回すほどの負担はかからないものの、

筋肉を伸ばすときにはあまり強くやりすぎず、程々の範囲で行って頂ければと思います。

また後頭下筋群だけでなく、その周辺の筋肉も一緒にストレッチすることも大切です。

首周辺の筋肉は肩だけではなく、胸や背中とも連動しています。

一部の筋肉だけほぐしても周辺の筋肉の緊張状態が続いていると、取り除いたはずの力みが時間の経過ととも戻ってしまいます。

より高いほぐし効果を得るためにも、後頭下筋群を中心に首周辺の筋肉のストレッチも心がけてみましょう。

ストレッチ方法① 眼球を動かして筋肉を伸ばそう!

目を軽く瞑り、眼球を上下左右と、ななめにも上下左右にゆっくり動かしてみましょう。【図2,3】

発声障害にありがちな首の力みは「眼」からほぐす
【図2】目をぐるっと回したり…
発声障害にありがちな首の力みは「眼」からほぐす
【図3】特定の方向をまっすぐ見たり。
ちょっと画像がコワい?

特定の方向を見た時にツンと軽く突っ張るような感覚があれば、その方向を向いたまま10秒ほどキープしてみてください。 

10秒見つめたら目線を戻して5秒やすむ…を3セットほど繰り返してみましょう。【図4】

【図4】キープ→休むを3回ほど繰り返す

過度に強くにらみつける必要はありませんが、首の後ろの筋肉がしっかり伸びていることが感じられる程度にストレッチを行ってみてください。

じわ~っと筋肉を伸ばすことで弛緩を促し、首周りの脱力を助けることが出来ます。

ストレッチ方法② 目の動きに首を追従させよう!

これまで首の力を抜こうとして、首そのものをグリグリと回してしまう方に特におすすめしたいです。

やり方は簡単で

方法①で行った眼球のストレッチに首の動きを追従させます。

まっすぐ前を見た状態から眼だけ右を向き、その後に首もゆっくりと右を向かせます。

終わったら左、上、下、斜め右・・・と続けていきましょう。

※首は人間にとってとても大切な部位なので、くれぐれも強く伸ばしすぎないように行ってください。

僕はストレッチとして筋肉を弛緩する目的のほかに、頭と首のポジションを再確認する意味でもこの方法を用いています。

眼→首の順番で動かすと、頭を支えている頚椎がバランスを崩すことなく動いてくれるので

首に負担のかかりにくいポジション感覚をつかむことが出来ました。

頚椎のバランスが乱れていると首にかかる重心がずれ、負担が集中しやすい。

最後に

いかがでしょうか。

ガチガチになった首や肩をほぐすには後頭下筋から!というのは整体師さんやスポーツの世界でも広がりつつあります。

首の深層にある筋肉が眼球を動かすことでほぐれるのは面白いですね。

首の力みから声が出づらいという方はぜひ「眼」からほぐす方法も試してみてくださいね。

それでは。

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