こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。
今回はたいへんご無沙汰の「お客様の”声”」第3弾です。
会社員としてお勤めの男性、Kさんのレッスンレポートになります。
まとめていたら思ったよりも長くなってしまいましたので、今回は前・後編にわけてお送りしてまいります。
※なお掲載にあたってはすべてご本人の許可を得ております。
Kさんのお悩みは・・・?(前日譚)
Kさん、よろしくお願いします。
改めて伺いますが、Kさんはどのような声のお悩みをお持ちですか?
緊張からくる声の震えと詰まりに悩んでいます。
複数の部下の前で話をしたり、大人数を相手に行うプレゼンテーションの時などは特に声の出づらさを感じますね。
ふむふむ、そうでしたか・・・
いつ、どんなきっかけで声の不調に気づかれたかは覚えていらっしゃいますか?
1年ほど前に大勢の前でプレゼンをしている時、急に息がうまく吸えなくなり声が詰まってしまったことがあります。
一瞬、過呼吸のような状態になりかけながらも何とかその時はプレゼンを終えました。一番初めに声の不調を感じたのはその時ですかね。
同じ経験をしたくないと、薬を服用したり自分なりに発声法を見なおしたり試行錯誤してきましたが、状態は改善せず悪化していくばかりです。
Kさんは多くの部下を持つ会社員。立場上、大勢の前でお話をしたりする機会が多いのですが、
ある日のプレゼン中に起こった声の詰まりをきっかけに、人前で話をするときに強いプレッシャーを感じるようになりました。
声の不調は段々と悪化を続け、現在ではプレゼンの場に立つとほぼ必ず声が詰まったり震えたりしてしまうそうです。
緊張は受け入れず、ねじ伏せたい。
症状があらわれる時の心身の変化をもう一度くわしく教えていただけますか?
最初は声の詰まりだけだったのですが…いまは声にかかわる様々なことがうまく出来なくなります。
話していると呼吸が乱れて目の前がチカチカしてくるし、常に気を張っているからなのか首肩もすぐに痛くなります。勿論声の詰まりも治りません。
色々と自分なりに工夫しているのにどうして…と悲しくなりますね。
それは不安になりますよね。
僕も緊張がきっかけで発声のあちこちが崩れていくような経験をしたことがありまして。
その時は「緊張している自分をまず受け入れて、そこからできることを少しずつ考える」という対策をとっていたのですが…
緊張を受け入れるやり方は自分も一応実践してみたことはあるのですが、いまいちピンときませんでした。
受け入れて、そこから具体的にどうすればいいのかな?とか思っていて。
緊張していることを受け入れること自体もちょっとイヤなのでしょうね。笑
自分でいうのも何ですが、もともと肝は座っている方で。
人前で緊張して喋れなくなるなんていう経験はほとんどなかったんです。
現状「緊張なんてねじ伏せてやる!」という思いを持って臨んでいる感じはあります。
症状に悩まされる前まで、さまざまなプレッシャーに打ち勝ってきたというKさん。
“緊張は受け入れるものではなく、ねじ伏せるものだ!”という考え方は
声が詰まってしまう原因を細かく見直し、なんとかして打開策を見出そうとする姿勢からもうかがえます。
とにかく実践。Kさんのすごすぎる分析能力
なにはともあれ、とりあえず声の状態をみなければ対策をたてられません。
プレゼン(本番)の時でないと症状があらわれない、ということだったのですが、なるべくその環境をイメージしたうえで声を出してみて頂けますか?
それは難しいですね…笑
でもどんなことを考えて、どのように声を出しているかだったら再現できると思いますので頑張ってやってみますね。
すみません。笑
よろしくお願いします。
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~~~~~、
…ちょっとうまくいかないのでやり直しますね。
~、~~~~~~
~~~~~、~~~~~
~~~。
(声出し中)
(症状らしい症状は出ていない。
やっぱり緊張下でないと判断しづらいのかも。
でもなにか引っかかるんだよなぁ…)
ありがとうございます。
すごくいい声で話せていますね。歌を習っていただきたいぐらいです。
ありがとうございます。
やっぱり本番の時以外だと調子はいいんですよねぇ。
いまはどのようなことを考えながら声を出していらっしゃったんですか?
まず息を吸う時にはなによりも腹筋の動きに注目しながら吸っています。自分は鼻から吸った方が良い感覚を得られたので絶対鼻から吸うようにしています。
吸った息は背筋の力を使ってキープさせつつ、へそを内側に押し込めるように一気に吐き出してます。自分にとってベストな息の量は
分かっているのでそこは守るように意識していました。
この時は姿勢にも気をつけるべきポイントがあって、自分は背筋を伸ばして声を出すといい感じでしたが…ここは検討中ですので後ほどアドバイスを頂ければ。
喉の奥は常に解放させ、広くスペースをとることを心がけています。あくびをしている時の状態が良いと聞いたので、その感覚を忘れないように常に頭の中で口腔内のスペースを意識しながら出していますね。他にも…
すごい。ここまでご自身の発声をモニタリングして、感覚を言語化させていらっしゃったとは。
Kさんの分析能力は目を見張るもので、備わっている真面目なご性格がよく伝わってきました。
その後、何度かイメージさせる環境や声の出しかたを変えていただきながら、
Kさんのお悩みを改善に導くためのヒントがどこかにないか、注意深く探っていくことに致しました。
最後に
ことのほか長くなってしまったので今回はここまでとします。
次回は緊張がもたらす影響と、Kさんの声が悪化を辿ってしまう理由を考えるとともに、具体的な改善策の提案やその後のことなどを書いていきたいと思います。
僕が感じた「引っかかり」の正体とは何だったのか。
真面目なKさんの身に何が起こっているのか!
はたしてKさんはもう一度のびのびとプレゼンに臨めるようになるのか!!!
乞う(?)ご期待。
それでは。
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