フォーカルジストニア(局所性ジストニア)は
特定の運動時に使う筋肉が
自分の意思とは関係なく勝手に収縮したり固まってしまったりして
思い通りに動かせなくなる神経系の疾患です。
ピアノやギターであれば、弾こうとすると指が勝手にまきこんだり突っ張ってしまったり
ドラムであれば手足が震えてしまって正しくリズムが刻めなくなり
声を使う仕事(歌手やアナウンサー、声優など)では声が詰まったり震えたりしてしまいます。
手や足、声帯など身体の一部を酷使するような職業に就く方に発症しやすく、”職業性ジストニア”という分類がなされる場合もあります。
痛みはなく直接命にかかわる病気でもありませんが
パフォーマーにとっての生命線であるスキルが著しく低下してしまう、おそろしい病です。
古くは作曲家兼ピアニストとしても活動したロベルト・シューマンが発症していたとされ、
最近では
コブクロの小渕健太郎さんや、flumpoolボーカル担当の山村隆太さんが
フォーカルジストニアに罹患し、活動を一時休止したニュースが話題となりました。
原因には
過剰な反復練習による神経伝達のエラーが主とされますが
精神的なショックから発症する人もおり、発症原因は人によって様々です。
明確な治療法も確立されておらず、答えの見えない中多くの患者さんがこの病と向き合っています。
自分を磨こうと一生懸命努力してきた方々が、このような苦しい目に遭う理不尽さにやるせない気持ちを抱かない日はありません・・・
筆者も長い間苦しめられましたが、
身体と心と徹底的に向き合い自主トレーニングに臨むことでフォーカルジストニアをほぼ克服することができました。
フォーカルジストニアは自主トレでも改善できる可能性は大いにあると思います。
克服方法について少しでも気になった方は
是非初回体験レッスンへのお申込み、またはお問い合わせなど頂けたら幸いです。
また、このHPではボイスケアサポート-Papagenoにおける活動の一環として
フォーカルジストニア、特に音楽家のジストニアに関する考察や対処法をブログという形でまとめております。
筆者の専攻上、声=喉に関する内容が多くなりますが
「フォーカルジストニア」という題名の付く記事は
どの楽器、ジャンルにおいても参考になるよう意識して書いておりますので是非ご一読ください。
自分の考えや経験が、病気に苦しむ誰かの役に立てれば
これほど嬉しいことはございません。
2020年9月 フォーカルジストニア経験者兼ボイスケアサポート Papageno 代表
田中眞