こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。
最近のお声の調子はいかがでしょうか。
調子が良い日も、悪い日もそれぞれあることと思いますが
ボイトレはそのどちらもこれからの糧とすることができます。
今回は僕自身がどのようなリハビリをしているか、どのようにメソッドを見つけているのかということを順番に書き出していきたいと思います。
ボイトレで発声障害を克服していくためのステップ
「積み重ね」こそがボイトレの醍醐味です。
一回一回の成果は小さくとも、繰り返し行うことによって効果はより強く長く持続しますので
以降にご紹介するステップを参考に、ぜひ理想の発声フォームを手に入れてくださいね!
まず各ステップをまとめたものを書いておきますね(最後にもう一度載せます)
現状を確認し、解消したい問題を明確にする。
できること、できないことはなんだろう?
症状が起きている時の身体を観察し原因を突き止める。
できる限り細かく!具体的に!
➁でみつけた解決策を複数用意し、順番に試す。
声をだして身体が「楽」であるかどうかがカギ。
見つけたメソッドをとことん見直す。
上手くいった(いかなかった)原因がわかれば、リハビリ方法の幅が広がる。
Step①:現状を確認しよう
まずは自分がいまどのような状態にあるかを確認しています。
確認するポイントはおおきく分けて3つ(↓)です。
- いま悩んでいることはなにか?
- 第一声が詰まる、語尾まで息が持たないなど自分の課題を絞り込む
- いまできることはなにか?
- 症状がでないのはどんな時か、これなら平気!という状態を探る
- 「できる」「できない」の境目はどこか?
- 1.2.をふまえ、できる状態から段々とできない状態へと近づき、どんな場合に症状が表れ始めるのかを探る
声の大きさ、高さ、長さ、母音、子音、電話対応などの特殊環境下などが課題となることが多い
ボイストレーニングによる克服を目指す場合
自分がいま、具体的にどんなことで悩んでいるのか
又は、どこまではできるのかを明確にしておく必要があると思います。
そのほうがトレーニングの指針も立てやすいですし、成果として分かりやすくなります。
もちろんトレーニング方法や指針は途中で変えて頂いても構いません!
とりあえず、この場では「第一声の詰まりに悩んでいる」という設定で続けていきますね。
Step②:症状が出ている時の身体を観察し目標を立てる
次に、声の不調があらわれる時の身体に注目してみます。
「あ、声が出づらい…」と感じるとき、あなたの身体にはどのような反応が表れているでしょうか。
設定上の僕がいま主に悩んでいるのは第一声の詰まりです。
その悩みは、どのような身体的問題から来るのか観察してみると…
声が詰まる瞬間は、息がせき止められ、うまく吐けていない感覚があることがわかりました。
息を吐く=声を出す時に、喉元までは息が送られているけどそこから先へ抜けていかない、そんな感覚でしょうか。
その「息が吐けていない感覚」が解消されれば、第一声の詰まりも改善されるかもしれません。
- 第一声が詰まるとき、思うように息が吐けていない感覚がする。
- 息の流れがスムーズになることを目標とし、トレーニングに臨む。
身体を観察した結果、このようなことがわかりました。
僕は、リハビリを行っていくうえではこのステップが一番重要でありかつ一番難しいものだと思っています。
発声障害という、ただでさえ「なぜ?」「どうして?」が多いものに対しとことん具体的な言葉で表す必要があります。
慣れるまでは少しコツが要りますが、ぜひ諦めずチャレンジしていただけたら幸いです。
Step③:②の改善策をかんがえる
それでは、②で明らかとなった不調の原因を改善させるための方法を探していきましょう。
- 主問題
- 第一声の詰まり
- 具体的な原因
- 発声時に息がせき止められ、うまく吐けない
- 大まかな改善法(予想)
- 息の流れをスムーズにすることを第一目標としてみる。
一番わかりやすいのは、「具体的な原因」の逆を行う方法です。
息がせき止められているのなら、止められないような工夫をすればよい…です。
このままでは、(それが出来れば苦労はしてまへん・・・)だと思いますので、もう少し掘り下げて考えてみましょう。
そもそも息がせき止められるというのは、どういうことなのか。
ざっと、以下3つの原因が考えられます。
- 吐く息の量が少なく、声帯を通過するだけのエネルギーがない
- 吐く息の量は十分だが、それに対応する内咽頭筋が弱い
- 息の量も声帯の張力も十分だが、仮声帯や舌骨上筋群の緊張が強い
Step②と同様、問題をなるべく細かく具体的にすることで、取り組むべきリハビリ方法を絞り込む
いくつか挙げたら
考えられる3つの原因に対する対処法を試し
(例:呼気量が少ないのならいつもより多めに息を吐く、発声前に喉周りに余計な力みがないことを確認する等)
一番「息がせき止められ、うまく吐けない」という問題を軽減させられる方法を見つけていきます。
声の調子が良くなる方法が見つけられたのなら、それはその場しのぎではないメソッドとして活用できる可能性が十分にあります!
このとき、問題を改善できているということも重要ですが、なによりも
声を出していて身体が楽であるかどうか、ということも忘れずに確認しておくと良いでしょう。
これは経験則からいえることなのですが
やはり脳は「楽な方法」が見つかるとそちらを優先的に習慣化しようとする気がします🤔
Step④:さらなるメソッドの発見へ
せっかく良いメソッドを見つけられたと思ったのに、日によって効果がまちまち…
ということはありますでしょうか?(自分はあった)
そういった時には、もういちど発見したメソッドを見直してみましょう。
- 何をした?
- Aという意識をもって声を出すといい感じ。
- その理由は?(Step②で考えた「具体的な原因」の原因)
- Aの方法には身体にBという変化をもたらしていた。これが声の調子をアゲていたのだ!
- そこからさらに考える
- Bを実現させる方法は他にあるか? →C方法の発見
良い効果だけでなく、悪い効果があったときにも”見直しテク”は使えます
Bという効果をもたらすことが出来れば、Aという方法だけにこだわる必要はないと思います。
メソッドを見つけられたときは本当にうれしく、それはとても頼りになるものですが
唯一といってもいい弱点がこの「一つの方法にこだわりすぎてしまうこと」だとおもうので
ぜひ、この”見直しテク”をつかって、リハビリ方法の幅を広げていっていただきたいと思います。
まとめ
ここでもう一度、これまでのステップをまとめたものを書いてみます。
現状を確認し、解消したい問題を明確にする。
できること、できないことはなんだろう?
症状が起きている時の身体を観察し原因を突き止める。
できる限り細かく!具体的に!
➁でみつけた解決策を複数用意し、順番に試す。
声をだして身体が「楽」であるかどうかがカギ。
見つけたメソッドをとことん見直す。
上手くいった(いかなかった)原因がわかれば、リハビリ方法の幅が広がる。
こうして文字にすると単純なようですが、なかなか奥の深い作業といえるのではないでしょうか。
ノートやメモ帳に文字として記録しておくと、問題や対策法を言語化する力がつくのでおススメですよ!
それでは。
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