本当に必要な息の量と、発声障害に振りまわされない心身の在り方

発声障害

こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。

声を生み出すエネルギー源である「息」。

豊かな発声を実現させるためには、息の流れを一定に保ったうえで

ムラなく身体の外へと送り続けることが重要です。

今回は自分にとって一番楽な呼吸をたしかめると同時に

身体の使い方や

声を出す上でのイメージトレーニングなど

送られてくる息を100%活かせる心身の在り方を考えていこうと思います。

じぶんにとっての息の基準値を確認しよう

声の不調を感じたとき

「これはいかん!」と、つい息を吸いすぎたり吐きすぎたりしてはいませんか?

不調の原因が息の量である(個人差あり)と気づけることはとても大切なのですが

声が出づらいことに焦り、息の量をあわてて変えてしまうと

呼吸のバランスが乱れ、かえって声が出づらくなってしまうことがあります。

まずは、「一定量の息を維持する」という目的を達成するうえで

自分にとってどれだけの息を吸ったり吐いたりすれば丁度良いのかを感覚として知っておくことが重要だと思います。

実際にためしてみましょう

胸骨(みぞおちのやや上辺り)や肋骨をの上に手を添えながら、ゆっくり空気を鼻から吸って口から吐いてみましょう。

「なるべくたくさん吸おう!」「横隔膜を意識しよう!」などとは考えなくても大丈夫です。

とにかくリラックスしながら、自分が呼吸をしている時の身体の動きを観察してみましょう。

ご自身が息を吸うのにあわせて、肋骨やその周りの筋肉が動くのが分かりますでしょうか。

その動きに連動して、おなか周りの筋肉もゆっくり収縮していく感覚がつかめますでしょうか。

仰向けになってお腹に手を当てて行ってみても良いと思います。

ポイントは

  • 肺を囲む骨や筋肉のうごきをより柔軟にしていくようなイメージを持つ
  • たくさん吸いすぎず、吐きすぎない。

こちらの2点です!

息を受け止める身体のつかいかたとは

では次に本題となりますが

前項でとりあげた息の基準値を守ったうえで、理想的な声を生むために

心身はどうあるべきなのかを考えていきたいと思います。

とはいうものの「理想とする声」の定義は一人ひとり異なるため

今回はなるべく万人に共通することを念頭に、以下のような条件を達成出来得るものを考えたいと思います。

  1. 呼吸をする際の身体的な苦しさがなく、自然と息の循環が出来ること
  2. 音量や環境に関わらず、相手に聞き取りやすい声が出せること
  3. 声の良し悪しをある程度判別でき、成功体験を着実に積みかさねられること
こちらも併せてどうぞ
「どうとでも動ける身体を保つ」という考えかた

まず、口腔や首肩まわり、そして下腹部や臀部にいたるまでの身体全体が

力みすぎず抜きすぎない、ちょうどよいバランスで緊張している状態であることが望ましいと考えます。

日常生活や取り組む楽曲によっては、さきほど確認した「息の基準値」を超えて声を出さなければならない場面というのもどうしても出てきてしまうと思います。

そういった時にも、変化する息の量に柔軟に対応できるような身体の在りかた-つまり「力を込める」でも「力を抜きすぎる」でもなく、いざという時には

どうとでも動ける身体であるということです。

この意識が薄れてしまうと

筋肉を伸縮させることだけを考えてしまったりして、もともとの大前提である「息の循環」という目的がうまく達成できなくなってしまいます。

息ありきの身体の使い方であるということをイメージしながら、身体をどうとでも動かせるようなポジションを保ってみましょう。

声の焦点を決める

声の不調を感じているとき、僕たちはどうしても声帯に意識がいきがちです。

声がきちんと出るかどうか不安な状態ですから、その意識が生まれることはごく自然なことだと思います。

しかしいくら声帯に意識を向けても、内側に向いた意識は息の流れを阻害し

出せるのははすごく身体に負担のかかる声となってしまう場合がほとんどです。なんとかそこから意識をはがしていきたいものですが…

そんな時は、じぶんがどこに向かって声を出したいのかという〈声の焦点〉を予め決めておくと良いと思います。

僕が勉強していたクラシック音楽の歌(声楽)でも、よく「Punto【 読:プント 点という意味のイタリア語】を意識して!」というような指導を受けたものです。

自分の顔前(経験上、眉間の先あたり?)にぼんやりと浮かんでいるその焦点を的に声を当てると、力まなくてもスコーーーンと声が前に飛んでくれる…声の焦点は、スムーズに息が流れ良く通る声を生み出すための指標ようなものでした。

話がそれましたが、身体から送られた息を十分に生かすために

届けたい声の行き先を、自分の声帯ではなく話したい相手に向けてみてはいかがでしょうか。

特に電話対応時などは相手の姿が見えないことにより声を届ける対象がなくなり、意識が声帯に向けられやすくなります。

ぼんやりとでも良いので、目の前に相手がいることをイメージしたうえでその人に話しかける。

当たり前のようで、意外と難しいことではあるのですが

身体に負担のかからない理想的な声を生むために、チャレンジする価値は十分にあると考えています。

フォームに違和感を覚えるのは脳?身体?

自分にとってあたらしいフォームを探っていくと

途中で違和感を覚えることが良くあります。

呼吸に対して敏感になったり首の位置をととのえたり声の焦点とかいうものまで出てきたり…苦笑

いままでの声の出し方とはまるで違う意識を持って取り組んでいるので、どこか迷いが生じるものです。

もしこの先、いくらフォームを整える意識をもっても違和感がぬぐえない!

というようなことがあったら

いま、自分が違和感を感じているのが脳なのか身体なのかを考えてみて頂けたらと思います。

もし脳が違和感を感じているのだとしたら

フォームを改めずにもう少し、そのままトレーニングをつづけてみて下さい。

ぎゅうぎゅうに喉に力を込めて声を出すことを正解(個人差あり)と誤認している脳にとって、新たなフォームはかなり心もとないものでしょう。

しかしその心もとなさは身体が楽であるということの証でもあります。

反対に、身体が違和感を感じる時は

その「心もとない」感覚を脳が危険と判断し、良くない発声法をふたたび呼び起こそうとしている状態かもしれません。

呼吸していて苦しい。肩や首の筋が痛む。声を出してる感はあるけど、疲労を感じる。

などの感覚があったら、フォームの見直しを検討してみてください。

最後に

いかがでしたでしょうか。

決して大げさな意味ではなく、発声は全身運動といえます。

息を循環する機能からそれを助ける力の配分、精神状態を管理し

理想的な声をもういちど作り上げるための心身を組み立てていっていただけたらと思います。

それでは。

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