こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。
フォーカルジストニアや発声障害を経験すると、
それまでは思いもしなかったような考え方や体験に出会います。
今回は
沢山の方とお話をする中で「それあるある!」となったエピソードをご紹介したいと思います。
発声障害あるある
4~5人での会話が一番緊張する
発声障害になると、思うような音量調節が難しくなってしまうことがあります。
囁くような声や、思い切って張り上げるような声は出せても、その中間を採るような音量で会話をすることが苦手という方は少なくありません。
僕の場合はグループディスカッションや飲食店での雑談などで、4人掛けのテーブルの斜め前に座っている方と会話をするのが特に緊張していました・・・。
語彙力が付く
ひとことに「声が出にくい」と言っても、様々なタイプがあります。
以前にもご紹介させて頂きましたが、母音や子音によって特定の言葉が特に発音しづらいという方もいらっしゃいます。
そんな時はどうするのかというと、「少しでも言いやすい(発音しやすい)言葉に言い換える」という方法を用います。
例)いらっしゃいませ→お預かりします、どうぞご覧くださいませ・・・など
自分にとって言いにくいフレーズを、その場でとっさに別の言葉に言い換えるというわけですね。
そのため、あらゆる言葉の同義語を調べることが増え、必然的に語彙力が身につきやすくなります。苦笑
診察室だと症状が出ない
音声外来や耳鼻咽喉科など、発声障害の治療を行ってくださる医療機関に通院されている方はとても多いです。
声が思うように出ないことはとにかく辛いので、その辛さを理解してくださる先生のもとへ足を運ぶことは自然だと言えます。
ところがどういうわけか、診察室に入ったとたんスラスラと声が出てきたという経験をされる方が結構いらっしゃいます。
自分の現状や辛さをちゃんと診ていただきたいのに、何でこんな時に限って声が出るんや!と憤慨したくなりますね・・・。
飲食店では、まず呼び出しベル(ピンポン)の有無を確認する
外食に行った際、店員さんを呼ぶときの「すみません」が上手く言えず苦労される方は非常に多いです。
ガヤガヤした店内の中だとなおさら声が通りにくいし、かといって振り絞るように声を張り上げるのも恥ずかしい・・・。
そんな中、席に呼び出しベルがあった時の安心感は計り知れません。入店した際には真っ先に呼び出しベルの有無を確認するという方も多いのではないでしょうか。
フォーカルジストニアあるある
音楽以外の勉強にのめりこむ
身体には何も異常がないのに不調に陥る・・・その謎を少しでも解明しようと自主的に勉強をはじめたというフォーカルジストニア経験者さんは多いです。
演奏する際のヒトの筋肉や関節の動き方を調べていくうちに、その複雑さや奥深さに強い興味を抱き、気づけば解剖学の本を買った、という方もいらっしゃいました。
いままでは、そこまで興味のなかった筋肉や骨の名前にもやたら詳しくなった経験、ありませんか?
いろんなジャンルの音楽を聴くようになる
フォーカルジストニアを発症してから、聴く音楽の幅が広がったという方は多いようです。
その理由については
・全く異なるジャンルの演奏から、症状改善のヒントをつかみたかったから
・思うような演奏が出来なくなったことで、専攻しているジャンルの音楽を聴くことが苦しくなってしまったから
などなど。ジャンルだけではなく楽器の好みの幅が広がったという方もおり、そういった面でも視野の広がりを感じる機会があるようですね。
努力することの意味をもういちど考えるようになる
「練習」というものに対する認識が変わった。
これはほぼ全員のフォーカルジストニア経験者と一致した意見でした。
これまではただがむしゃらでも「努力をつづけること」さえ守っていれば上達できるものだと思い込んでいましたが、フォーカルジストニアを経験したことでもう一度「努力をすること」とは何かを再考するようになりました。
良い演奏やパフォーマンスというものは、身体が疲れ切るまで苦しい練習を積みかさねた先にしかないものなのか。
今まで盲目的に信じていた「頑張ることは良いこと」を見直すきっかけになったとほとんどの方がお話して下さいました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
いくつか挙げてはみたものの発声障害にしてもフォーカルジストニアにしても、一番あるあるなのが「わかってもらえないこと」だと思います。
周囲からの理解を得られにくい中、ひとりで病気と向き合うのは大変なものです。
そんな時はこの記事を見て「あるある!」と思うと同時に、ひとりで苦しむことはないと少しでも感じて頂けたら幸いです。
それでは。
\ オンラインにて体験レッスン受付中 /
コメント