“発声”障害克服のトレーニングなのに、全身の感覚に注目する2つの理由

"発声"障害克服のトレーニングなのに、全身の感覚に注目する2つの理由

こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。

この記事を書き出したのがちょうど2021年の1月2日になります。

新年あけましておめでとうございます。

今年も、僕にできること考えられることは何かをひとつひとつ見つめながら、声のことについて研究を進められたらと思います。

今後ともボイスケアサポート Papagenoをよろしくおねがいしますね。

さて、新年一発目の記事テーマは

なぜ僕が「発声」のトレーニングで喉以外の部位に注意を向け続けるか

というものになります。

自分自身がこれまで行ってきたトレーニングも併せながら、その理由をご紹介してまいりたいと思います。

もくじ

ボイストレーニングなのに「喉」に注意を向けない2つの理由

僕がお客様(あるいは自分自身)に喉だけではなく

「いま、身体全体がどんな状態だったか」

「1回目と2回目、それぞれのトライで身体の感覚に違いはあるか」

といった問いかけをよく行うのには、大きくわけて以下2つの理由があります。

  1. 全身のあらゆる筋肉や感覚を刺激することで、喉(声帯)にかかる脳の意識配分を分散させるため
  2. 発声の調子に、身体感覚を通した理由付けが出来るようにするため

“声”のトレーニングなのだから、最重要部位である喉(声帯)だけ注目していればよいものではありますが…

僕がこれまで見てきたり、経験したことから考えても

喉や声帯をかまいすぎない意識をトレーニングで積んでいった方が、俄然声の悩みを解消しやすいと断言できます。

人によって不調の原因はさまざまではありますが

脳が「どう声を出そうか」と考えすぎてしまった結果、発声という運動に対する脳の常識が、身体のそれと少しずつズレてきてしまったという点は

大きな部分で共通しているのではないでしょうか。

上記した2つの理由は

そうした脳が思い込んでいる「常識」と、心身が求める「正常」のズレを少しずつ正していくために重要なものなのです。

それぞれの要素について、以降もう少し詳しく書いてみますね。

➀喉(声帯)にかかる脳の意識配分を分散させるため

前項でお話したことの繰り返しになってしまいますが

声帯のことをいかに考えずに声を出すか発声障害克服への極意は、これに尽きるといっても過言ではないと思っています。

「それが出来れば苦労はない・・・」というお声が聞こえてきそうですね💦

長らくの間、僕自身もそう考えておりました。

“発声は身体全体が絡むものだ”ということはなんとなくわかっていながら、脳の底から信じきれていませんでした。

確かに喉(声帯)は声を作るためのエンジンであるし、そこに注意を向けたくなるのは道理です。

しかし・・・

エンジンに供給するガソリン=息を造りだしている呼吸器は?

呼吸器をサポートする腹筋や骨盤底筋、さらにそれらを支える骨や関節は?

喉周り(首)の筋肉は胸や腕と連動している。それらが脱力することで喉が楽になれるのだとしたら?

発声という運動がどういうものなのか、いまいちど冷静に考え直したとき

いままでバラバラに思い込んでいた「喉」「それ以外の部位」が互いにリンクしていることに気づきました。

そのリンクを意識することで、「声帯のことを考えずに声を出す」感覚がすこしずつ身につき始めたのです。

…と、ちょっと話が長くなりましたが

ボイストレーニングで全身の状態をチェックするのは、そうしたリンクを絶やさず意識するためです。

身体全体から「自分たちにも目を向けてくれー!」と脳に向かって大きく手を振り続けることで

脳の意識配分を喉(声帯)からひきはがし、声帯のことを考えすぎない声の出し方を実現しやすくしているのです。

➁声の調子に、身体感覚を通した理由付けが出来るようにするため

このブログ内でもたびたび紹介していることでもありますが

ボイストレーニングによって発声障害を克服するメリットの一つに、知覚認識能力の向上が挙げられます。

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身体をあちこち動かしながらリハビリを積んでいくことで

自分の身体がいまどのような状態なのかをより細かく、リアルにイメージできるようになります。

自分の身体構造がわかってくると、声の変化に対するアンテナがひろがり

良くなった時は改善実感をより感じやすくなりますし

たとえ調子が下がっても「いまは身体がどうだったから声の調子が悪かった」と冷静に分析できるようになります。

声の不調を抱えると

次の瞬間、きちんと声が出るかどうかわからなくて不安だ

というストレスがかかることがあります。

日々のボイストレーニングで身体感覚に磨きがかかると、声が出たor出ないという《結果》に対し「(喉を含め)身体が○○だったから」という《理由》をつけられるようになります。

一気にストレス解消!とまではいかないかもしれませんが

これから出す声がどうなるかわからない!!💦怖い!

という不安も、すこしずつ減っていってくれるのではないでしょうか。

最後に

いかがでしたでしょうか。

僕をふくめ世の多くのボイストレーナーさんが喉(声帯)だけではなく、身体全体へのアプローチを大事にしているのはこういった理由によるものが多いと思います。

もちろん、細かなところでは人それぞれ違いがあるかもしれませんが…

身体の状態をうまく説明できなくても全然構いませんので、

つい「声」だけのことを考えてしまうといった方は、これを機にご自身の身体とゆっくり向き合ってみてはいかがでしょうか。

それでは。

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