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「やっぱり無意識に声を出している時がいちばん調子がいいです。」
というご意見を頂くときがあります。
これは僕自身の体験としても同意できる部分があって、
良いパフォーマンスが出来ている時や、いわゆる”ゴールデンタイム”と呼ばれる間は発声に対して「無意識」になっていました。
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リハビリ期間や個人差等、断言するには考慮すべき点がまだまだありますが
どうやら声の不調を改善させるためには「発声に対して無意識である」という時間がどこかで必要なようです。
発声障害は多くの場合、無意識に声を出そうとしても声が詰まったり掠れたりしてしまいます。
それを何とかしようと僕たちは日々、「意識的に」声の出しかたを変えていきます。
ですが意識的に声の出しかたを変えまくる方法もまた、かえって発声をぎこちなくさせてしまう場合があるものです。
ちょうど、【階段を下りる】という運動を行う場合に、ただ普通に降りてきたあとにくらべ
段を下りる時にどのくらい足を上げ、重心がどのタイミングでどこへ移動するか考え、必ず左足から踏み出すように降りてきてください。
という細かな指示を与えられるとちょっと動きがぎこちなくなるのと同じように。
最近のレッスンでは、発声法を観察し考える「意識的な時間」と同じくらい「無意識になれる時間」というのも大切にしています。
僕が考える、いい無意識とは
- レッスンで提案した(された)ことを忘れるという意味ではない
- 「何も考えない」が理想だけど、それをつよく思うと「無意識」は生み出せない
- ゴールデンタイムやボツリヌス注射が効いていて、すらすらと声が出ている時間をイメージし続ける
というものです。言葉にするとちょっとややこしいですね💦
「意識的な時間」で培ったものが「無意識な時間」にどう反映されているのか。
ただただ楽しく、声を出すことに夢中になれる時間をイメージできると
根を詰めて発声法を考えていた時には気づけなかった、あらたな可能性を見いだせたりします。
どんなに練習をしても、試行錯誤してもうまくいかないや…というときは
思い切って自分の意識ごとリリースしてみて下さい。
身も心も軽く声を出せる瞬間があったのなら、それもまたボイトレやリハビリの成果だとおもいます。
ボイスケアサポーター 田中眞
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