こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。
今回は、僕がフォーカルジストニアを克服するうえで大切にしてきた(している)
2つのステップについてご紹介したいと思います。
その2つとは
- 「フォーム」を整える
- 「成功体験」を積む
です。それぞれ以降の章で説明していきます。
①「フォームを整える」
無駄な力みや脱力をなくし、とにかく身体に無理のないフォームを構築した上で
訓練を行うことがこのステップの目的です。
本当にいいパフォーマンスが出来ている瞬間というのは、驚くほど身体が楽な状態なのです。
まず第一として
身体に無理な負担をかけて演奏をするという行為は避けた方がいいです。
僕の場合
思うような声が出ないことに対して不安になるあまり無理やり声をひねり出そうとしていたことがありましたが、
思い通りに声が出てくれることはほぼありませんでした。
仮に出たとしても、ひねり出すほど体を強張らせた状態ではすぐに体が音を上げてしまい長続きはしません。
無理やり頑張って音を出そうとしたくなる気持ちは、とてもよくわかります・・・・・
ですがどんなに不安でも、
まずは身体に負担がかからない、自分にとって一番楽な姿勢を見つけていくことが
このステップ①をこなしていく、ひいてはフォーカルジストニアを克服するうえで重要だと思います。
歌唱でいうならば・・・
声を出すのが苦しいとき、首が前に出ていませんか?
息はしっかり吸い、そして吐けていますでしょうか?
肩が上がっていませんか?かかとが浮き上がっていませんか?
これまで声が出る、出ないだけでその日の調子を見極めていた方は
身体に無理がないかどうかということも併せてチェックしてみてください!
②「成功体験」を積む
ステップ①で見つけ出した
整えられたフォームを「新しい習慣」として脳に記憶させていくことがこのステップの狙いです。
「習慣」は「演奏」や「発声」などと言い換えていただいても良いかもしれません。
フォーカルジストニアは、今まで何も意識せずとも出来ていたことが段々できなくなってしまいます。
それは脳内にある「従来の習慣」が様々な原因によって「悪い習慣」に書き換えられてしまったからだと思います。
(「悪い」という表現はあまり使いたくないのですが、便宜的に・・・ごめんなさい)
原因についても人によってさまざまなので、その説明もまたの機会に書いてみます。
話を元に戻しますと、このステップ②では書き換えられてしまった脳の「悪い習慣」を
フォームを整えたうえで発声訓練を繰り返し、「新しい習慣」として新たに記憶させていきます。
体に一切の負担をかけないフォームは、体のポテンシャルを100%引き出してくれる素晴らしいものです。
身体全体をつかって楽にパフォーマンスができる状態を反復していけば
脳はそれを「成功体験」とみなし、新たな習慣としてデータを書きなおしてくれるというわけです。
各ステップを成功させるためのコツ
この章ではそれぞれのステップを上手くこなしていくためのちょっとしたコツを書き出していきたいと思います。
「フォーム」を整えるコツ
- 鏡やスマホのカメラを使いながら自分の姿を客観的に見る機会を増やす
- 悪いフォームを生みやすい首、肩、重心をかけている足、眉間は特にチェック!
- うまく出来ないときは主症状のでる部位から一旦意識を外し、身体に注目してみる
- 「感覚トリック」で症状軽減するかどうか確かめる
※「感覚トリック」=症状が起きている部位に手などで直接触れると、一時的な症状緩和が起こること
「成功体験」を積むコツ
- 脳と自分をとにかく甘やかす。少しでも上手くいったら自分を褒めまくる
- 上手くいかないときは無理に続けず、早めに切り上げる
- 脳の定着化が遅くなる可能性があるため、訓練の内容は急に変えすぎない
- 上手くいかなかったことより、上手くいったことを記憶しようという意志を持つ
すでにお気づきかもしれませんが、この2つのステップをこなしていく上では
ステップ①に関しては呼吸や姿勢など身体面のコントロールが主となり
ステップ②では精神面が重要となります。
「今は出来ても明日には出来ないかもしれない」「自分の理想とする演奏ではない」
という思考に陥ると、せっかく上手くいっても脳は成功体験と認めてくれず、積み重なりにくいものです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
フォーカルジストニアと向き合う!となった時、僕はどこから手を付けて良いのかわからず随分と戸惑ったものでした。
ですがこうして2つのステップとして書き出してみると奥は深いけど、シンプルな努力の積み重ねであると気づきます。
この記事を参考に、ご自身の心と身体とうまくコミュニケーションをとりながらフォーカルジストニア克服にむけてチャレンジしてみてくださいね!
それでは。
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