発声障害を改善させる、”一歩進んだ”ブレストレーニングをご紹介します

こんにちは。ボイスケアサポーターをしています田中眞です。

発声障害を改善させていく方法として、ブレス(呼吸の)トレーニングを採りいれる方はとても多いです。

僕自身も呼吸法の見なおしから症状が改善されたという経験はあり、ブレストレーニングは有効といってもよいでしょう。

しかし、いくら訓練の場でうまく呼吸の見なおしができたとしても、肝心の実生活でそれを再現させるのはなかなかどうして困難です。

今回はそんな実生活でもそのまま活用できる「一歩進んだブレストレーニング」をご紹介していきたいと思います。

もくじ

ブレストレーニングを日常生活に…?僕が感じた違和感

発声障害を改善させるために、ブレストレーニングが大切なことはなんとなくわかっているけれども、どことな~~く感じている違和感。

僕の場合、その正体は

ほんらい、無意識にしていることを有意識で行わなければならないことに対する違和感

といったようなものでした。

いわずもがなと思いますが…ほとんどの方は呼吸を無意識に行っています。それは発声しているときでも同様です。

それを「ブレストレーニング」という、有意識のカタマリみたいな方法で常に自分の頭の中でイメージしながら暮らしていくことにすごく疑問を感じていたのでしょう。

練習(トレーニング)の場では有意識に、実生活上では無意識に。という感覚は大事だけど、そもそも声の不調を抱えているのに呼吸に対して無意識になること自体がむずかしい…練習したことを意識して実践したいという気持ちだって増すばかりです。

このもどかしさ、何とかならないものでしょうか。

「一歩進んだブレストレーニング」の紹介と実践方法

無意識に呼吸をしたいけど、トレーニングによって有意識でおこなわなければならないという違和感を解消させるために、新たなブレストレーニングを考案しました。

いうなればそれは「一歩進んだブレストレーニング」とでも呼びたいものかもしれません。その特徴としては

ワンフレーズ息を吐ききった(声を出した)直後、脱力して肺の中の空気量をニュートラル(安静状態)に戻す

というものです。なんじゃそりゃ。

その名の通り、これまで行ってきた基礎となるブレストレーニングを土台に、より無意識に、より実生活での発声に近しい感覚で採りいれることのできるものとなります。

そもそも基礎となるブレストレーニングとは何ぞや、というお話ですが、ざっくり説明をするならば

自分が吸って吐いているときの、からだの動きを観察しましょう。とでもなるのでしょうかね。

当ブログでも呼吸に関しての記事をいくつか書かせて頂いておりますので、ご自身の疑問を少しでも解消できそうなものからお目通しいただければと思います↓

それでは「一歩進んだブレストレーニング」の方法を紹介して参りましょう。

残気量を意識して、呼吸のボーダーラインを把握する

まずはご自身の安静時における残気量ざんきりょうを感覚として覚えていくことから始めましょう。

これ以上吐いたら(吸ったら)苦しい、という呼吸のボーダーラインを自分で把握する、といった方がもしかしたらわかりやすいかもしれません。

前述した「肺の中の空気をニュートラルに戻す」という感覚を意識しやすくなりますし、余計な力みを取り除けるメリットもあります。実践方法は以下のとおりです。

STEP
あえて吸いすぎる(吐きすぎる)

自分で「あ、もう十分吸ったな(吐いたな)」と思えても、人間の体はそれ以上の空気の出し入れをすることができます。キャパシティを越えた呼吸は非常に苦しいものですが、今回は必要以上に大げさに呼吸を繰り返し、呼吸のボーダーラインを見極めましょう。
※体調に異変を感じたらすぐに中止してください。

STEP
脱力し、呼吸をニュートラルに戻す

STEP1で覚えた”ボーダーライン”に達したとき、身体の力をふわっと抜き、肺の中の空気を安静状態に戻します。吸気時にくらべると、呼気時(息を吐いたとき)のほうが安静状態に戻るのには時間がかかります。あせらずゆっくり、肺の中の空気がニュートラルに戻る感覚を養ってください。

実践するうえでの2つのポイント

安定した残気量を感覚として覚えることができたのなら、ほぼトレーニングは完遂しています。

え?それだけ?と思われるかもしれませんが、このニュートラルに戻す感覚こそが、実生活に採りいれられる呼吸法として大いに役立つのではないかと考えています。

ブレストレーニングで培った感覚は、そのまま日常生活のなかで活かすことができます。

実践するうえでのポイントは2つあります。

POINT

➀吸う、吐くという「動作」として意識した呼吸ではなく、あくまで脱力することで残気量を確保する

➁発声をおこなったあとは、できるかぎりニュートラルに戻ろうとする身体の感覚に任せ、自分は落ち着いて次のフレーズを発声する

「呼吸」という、もともと無意識でやっていることを「ニュートラルに戻す」と言いかえたうえで有意識でおこなう。

そうすることで練習のときと実践のときの感覚がリンクしにくい呼吸法を実生活に生かすということです。

最後に

声に不調を抱える我々は、日常生活を送るのも一苦労です。

一般のかたが普通におこなっていることを実践するために、どれだけの工夫が必要なことか…。

頭と心がパンクしてしまうことを避けるためにも、省けるものは省き、積み重ねたトレーニングはなるべく日常生活に取り入れられるような意識をもっていくことが大切だと感じています。

一歩進んだブレストレーニングは、その名のとおり発展形であり、いきなり採りいれるのは難しいかもしれません。

基礎ができたと感じたときにでも、ぜひ”一歩”ふみだすことを検討して頂けたらうれしいです。

それでは。

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